2008年導入予定の
  総合診療科とは? 
  かかりつけ医制とは?




************************** 総合診療科 ****************************


 政府の導入目的は、ただ医療費を削減することだけなのでしょう?
 ≪人頭払い・かかりつけ医制≫≪フリーアクセスの制限≫、政府の意図は見え見えです。決して国民医療の向上などという高尚な目標をもっているとは思えません。

 政府・厚生省は、最近、
多診療科にわたって幅広く診療ができる総合医≫をかかりつけ医の理想と称して、≪総合診療科≫を提唱しています。
 従来、そのような卒後教育は一切なされておりません。形だけの研修会を数回行う(すでに行った?とも言っております???)ことで、
都合よく≪総合医≫をでっち上げようとしています。情けないことに、その陰謀に荷担しようとする御用学者や医師会幹部もいます。


****** 現実の医療行政は ***********

 
私は、開業以来20年間ずっと、そのような方針でやってきました。(専門医志向が強かった当時にすれば、少数派です。) もともと全身疾患であるリウマチ・膠原病を専門にする関係上、恩師Dr.Wagnerの影響もあるかも知れませんが、全身のさまざまな病気(合併症)を総合的に診ることがどうしても必要でした。
 政府のいう理想的な総合的医療を実践してきた事になるのですが、その結果はどうだったでしょうか?? 
 
高額医療機関としてレッテルを貼られ、常に個別指導の対象にされていました。
 患者さんが、病気ごとに
多数の医療機関を受診することを考えれば、はるかに良心的で、より安価で、効率的な医療を提供していたはずでなのすがね!....??
 しかも、
主病名は原則一つ、使用可能なクスリは6剤以下などと制限されており、薬剤の選択にもずいぶん苦労させられました。


 医療現場の現実と政府・厚労省の言うことはあい矛盾
しています。
 総合的にフォローするためには、当然
それなりに診療費を増すべきですが、逆に診療費を切り下げるばかりです。

 リウマチ膠原病患者や老人患者は多くの病気を併発しており、どれも主病です。多種類のクスリを使わざるを得ないのです。しかも、これらの病気に使われるクスリは、抗ガン剤などと同様に、バカ高く設定されています。結果的に(製薬メーカーを儲けさせるだけですが)、治療費は当然高くなります。


******
 総合医制度の導入目的 **********

 ≪総合医制度≫もまた
政府の単なる国民向け、マスコミうけをねらったポーズであり、形を変えた医療費削減策(実際は,医療斬りすて策)の一つに過ぎないのです。
 厚生省が動けば動くほど、ますます医療を破壊させる結果をまねくだけでしょう?


 
(自民党・公明党連合政府は、国民をだまし、医師をだまして、医療福祉関係予算の削減を続け、≪医療福祉の破壊政策≫を続けてきました。もはや医療供給体制は限界です。産婦人科、小児科、救急医療などはすでに破綻
しています。それでもなお、道路・箱物造り(公共事業)が国民のセーフティ・ネットよりも重要なのです。


******
 院内調剤から院外調剤へ **********

 
患者さんの便宜を考え、院内調剤を20年間続けてまいりました。当院には、優秀な薬剤師がおります。医師のカルテを直接みながら、処方意図にそった適切な服薬指導もできました。会計と同時に薬も手渡せ、はるかに迅速で、経済的負担も少なくすみました。
 しかし、
≪院内調剤≫が立ちいかなくなっています。院内薬剤師がいても技術料がつきません。薬剤購入費の消費税負担で赤字になりかねません。近い将来、消費税アップは確実です。大幅赤字への転落はまぬがれません。

 (院内調剤の長所と短所 院外調剤では、薬剤師は医師のカルテをのぞくことはできません。医師の処方意図もわからぬままに、服薬指導を行うのですから、かなり無理もあります。もちろんいい点も多くあります。)





************************* 包括医療の問題点 *****************************



 以前、慢性特定疾患患者の外来治療には、
≪外総診≫という制度がありました。
 外総診を選択した医療機関では、
≪定額≫で管理する制度です。定額と実費との差が利益です。ギリギリです。当然ですが、多くの医療機関で、粗診疎療に陥っていました。
 外総診を選択する以前と治療方針はガラリとかわって、
多くの慢性病を併発していても、見てみないふり(?)です。(まともに診れば赤字です。)安価な後発薬を1〜2剤、最低限を処方されるだけです。必要な検査も長期間なされていない医療機関もありました。
 しかし、
当時は、他の医療機関も自由に受診可能でした。主病が重ならないかぎり、そこでも管理指導料算定が可能でした。足りない治療の尻ぬぐいがそこでなされていました。

 難病患者、重病患者の多い私の医院などは、
≪出来高払い制≫を選択していました。不十分な治療の尻ぬぐいを求める患者さん達であふれていました。

 今度の医療制度では、そのような事はできないでしょう。
保険診療では、最低限の治療すらできないことになりますね。
 リウマチ膠原病の患者さんや老人患者さんなどは、多くの病気を併発しています。
どれもが主病です。重病、難病の患者さんの場合、定額医療費内では、十分な治療はできません。重病であればあるほど、難病であればあるほど、結果的に医療の切り捨てにされかねません。

 多くの医療機関が、専門的な治療も行い、同時に、かかりつけ医的・家庭医的な治療もあわせて行っているのが現実です。

 ≪かかりつけ医≫としてを登録すれば、定額となり、専門医としての十分な治療ができなくなります。逆に、≪専門医≫として治療すれば、現在来られている多くの老人患者さんたちの来院機会は奪われ、結果として専門的治療もできなくななります。
 
いったい私はどうしたらいいんでしょうか?



****** まるめ定額制と出来高払い制 *********

 
たしかに『まるめ定額制』『でき高払い制』とには各々一長一短があります。

 目先の医療費削減効果をねらえば
『定額払い』が有利かもしれません。しかし、毎年毎年、医療費は削減され続け、診療内容は低下していくでしょう。粗末な診療、最低の治療になっていくことは間違いありません。
 もっと深刻な問題は、我々は奴隷ではありません。
医療従事者のモチベーションはますます下がり、やる気を完全に失ってしまうことです。
 すでに
イギリスで失敗し、≪医療供給体制が完全に破綻≫してしまった制度です。

 
『でき高払い制』は、必要な診療は(許される限り)最大限までできるメリットがあります。医療従事者のモチベーションも(運用次第ですが)保持可能でしょう。病気悪化の予防もでき、結果として医療費も少くてすむ
といわれています。
 欠点は、医学の進歩や医療技術の進化に応じ、また患者の高齢化に応じて、医療費が自然に増大していくことです。
 当然といえば至極当然です。許容できるかできないかの問題であり、
政治哲学の問題です。
≪道路や建物(公共事業)が大切か? 医療や教育がより大切か?≫の問題です。


                                       2007.4.18




  ≪人頭払い≫と≪かかりつけ医≫   
      開業医へ救急医療を押しつけ
      救急医療の回避、よきサマリア人の法律
  全国規模で医師の逃散現象  月刊保団連2006,6より
  医療費総枠拡大のための財源は?
  日本の医療費は本当に高いの?
      日本の医療が崩壊する(三重県医師会)
 ≪姨捨山医療制度≫2008年4月1日導入される
      ≪姥捨て山医療≫の本質:食べ物屋を例にして説明します
      ≪姥捨て医療≫への批判の嵐、低所得者ほど保険料負担は増大
      (マンガ)後期高齢者医療制度の撤廃を!
保険医協会パンフレットを転載  
      外来主治医と後期高齢者医療制度
(2008年1月6日毎日新聞)
      終末期医療のムダを後期高齢者制度で制限せよとは?
      終末期延命医療  




  
     
鶏頭と雨蛙、そして医者いらず(アロエ)




       斎藤リウマチ科・内科・整形外科へ





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