患者さん向けのやさしい医療情報 


診療報酬(売り上げ)=利益ではありません
          (医療経営の実情)




医院は、個人商店や町工場と同じです。開業医は、中小零細企業経営者そのものです。

診療報酬(売り上げ)が、利益ではありません。
マスコミの扱いや世間ではよく混同されています。(診療報酬と呼ばず、診療費総請求額、診療費請求総額などの名称に代えて欲しいです。)
中小企業と同様に課税されます。


参考:いわゆる医師優遇税制(=白色申告、言葉がよくありません)について

医師優遇税制という税制?があるため、一般的に医師は儲かる職業と誤解されています。
そのしくみは、医者の収入は社会保険診療と自由診療によるものがありますが、
そのうち社会保険診療請求総額について、金額により、最高で72パーセントの必要経費が認められています。これらの場合でも、それ以上に経費がかかる場合もあって、必ずしも優遇とは言えません。

◎社会保険診療請求額(粗収入)によって認められる必要経費・・・・・・・・・白色申告
・2500万以下・・・72%
・2500万越え3000万以下・・・70%
・3000万越え4000万以下・・・62%
・4000万超え5000万位下・・・57%

老医師夫婦だけでやっているなど、よほど小規模な医院でないかぎり、これには該当しません。
大多数の医院は当てはまらず、青色申告です。中小企業と同様に課税されます。


宗教法人は無税です。きびしく制限をうける医療法人に対して、医療・福祉活動に対して、普通企業並みの税金がなぜ課せられるのでしょうか?
薬や医療材料、管理費などにかかる消費税分は持ち出しですから、他業種より税制上不利な点もあります。

他の業種では、社長が留守にしても、接待ゴルフに行っても、支障なく営業できます。
医院はそうはいきません。たとえ自分が病気でも、医師は診察室にすわって診療しなくてはなりません。自分の体力だけが頼りです。他人で代わりがききません。


医療福祉関係予算削減政策が継続され、年々きびしくなる医療環境では、
真面目に診療し、経費を削って経営努力し、がんばっても、開業医が純利益をあげるのはなかなか難しいです。
まして新規開業の場合、数年間は赤字が続くことも多いでしょう。
大きな設備投資をしたまま利益があがらなければ、莫大な借金をかかえ、倒産や廃業の憂き目をみます。データ上は、倒産として表面に出ることは珍しく、ほとんどのケースでは、ひっそりと廃院したり、経営交代という形で、消えていきます。

人件費(給料および福利厚生費、退職金積み立て費、その他)、家賃や駐車場借地代、薬や物品の仕入れ代、リース代、借り入れ金の利子、仕入れにかかる消費税の負担、光熱費水道料、医療廃棄物処理費、維持管理費、リスクへの損害保険料、減価償却費、その他etc.と次々差し引いていけば、税引き後の純利益は微々たるものです。
その税引き後の純利益から、さらに借り入れ元金を返済していかなければなりません。
本当に使える金(可処分所得)は、さらに減っていきます。


   ********** 政府の医療福祉政策 **********************************************

医療業界そのものが斜陽産業です。医業経営はますます厳しくなって来ています。

厚生省お得意の甘いわなにはまって、マスコミも政策の片翼を担って無責任に社会を扇動し、コムスンはじめ営利企業や野心家が福祉サービスへ次々参入しました。
最近の状況は、規制強化と報酬削減、見事にハシゴを外されて、窮地に陥っています。

医療行政の歴史は、役人が現場を見ないで思いつきで導入する机上の空論、規制緩和どころかますますの規制強化です。そのことごとくが相矛盾した結果をまねき、現場の混乱を大きくしています。めまぐるしくかわる朝令暮改、甘い罠とハシゴ外し、そんなことの繰り返しです。

ほとんどの医師は、政府の医療政策を信用しておりません。


     2007.11.15


  
   2007,10,7

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