患者さん向けのやさしい医療情報

2008年導入予定、後期高齢者の
  人頭払い制度とは?
     かかりつけ医とは?


************************ 人頭払い ************************************

 ≪人頭払い制度≫
とは、かかりつけ医をあらかじめ決めて、その診療所等に登録した住民の人数に応じて診療報酬を支払う方式とのことです。

 患者さんは、
どこにいても、どんな病気でも、まずは登録した診療所を受診しなければなりません。今の保険証一枚で、全国どこででも、どの医療機関にかかっても、医療が受けられる、フリーアクセス制とは対極の制度です。
病気によって、自分で病院や医者を適当に選んだり変えることはできません。

 ●それでは旅行先で急病になった場合はどうするのでしょうか? 
       →海外旅行先のように、旅行保険をかけるか、自費払いでしょうね。
 ●主治医が留守をしている時に、急病になったらどうするのでしょうか? 
       →自費でかかるか、急病保険をかけておく。命にはかえられませんね。

24時間、365日、責任を持って管理することなど不可能です。医者もかないません!
医者にもプライバシーや息抜きが必要です。私には、とてもできません。
難題山積の制度のようですね。


 
<イギリス>では、
 先のサッチャー保守党政権は、苛酷な医療費削減政策をとり、
人頭払い・かかりつけ医制度を強制しました。自由に他医師・他医療機関へ受診できません。

 初診でも数日待ちは当たり前、必要な検査も数ヶ月待たされる
そうです。
ガンの手術の順番を何ヶ月も待っている間に進行して、手がつけられなくなった。イギリスではよくあることのようです。笑えない冗談のような話ですネ。

 有能な
医師や看護師は、よりよい条件を求めてイギリス国外へ脱出しました。益々イギリス国内医療の荒廃をまねきました。
 経済的に少し余裕のある人々は、自費診療で、欧米やアジアなど国外の医療機関を受診するそうです。
命はカネで買うしか仕方ないのです。
 政権が労働党に交代し、ブレア労働党政権は、あまりに荒廃した医療状況を反省して、医療予算を大幅に増加させました。しかし、
一度破壊された医療は簡単に回復できないようです。


********* イギリス型かかりつけ医制 *************

 
日本で2008年導入予定の75歳以上老人医療に、イギリス型かかりつけ医制度を強制する案が、今審議されています。
医療機関を選ぶ自由も奪われ、満足な治療もうけられない苛酷な制度です。
老人は早く死になさい
、と政府は言うのでしょうか? 
より安心な福祉・医療を求めて、タイやベトナムなど国外へ移住を希望する老人が増えるかもしれませんね....




************************* 包括医療 *****************************



 以前、慢性特定疾患患者の外来治療には、
≪外総診≫という制度がありました。
 外総診を選択した医療機関では、
≪定額≫で管理する制度です。定額と実費との差が利益です。ギリギリです。当然ですが、多くの医療機関で、粗診疎療に陥っていました。
 外総診を選択する以前と治療方針はガラリとかわって、
多くの慢性病を併発していても、見てみないふり(?)です。(まともに診れば赤字です。)安価な後発薬を1〜2剤、最低限を処方されるだけです。必要な検査も長期間なされていない医療機関もありました。
 しかし、
当時は、他の医療機関も自由に受診可能でした。主病が重ならないかぎり、そこでも管理指導料算定が可能でした。足りない治療の尻ぬぐいがそこでなされていました。

 難病患者、重病患者の多い私の医院などは、
≪出来高払い制≫を選択していました。不十分な治療の尻ぬぐいを求める患者さん達であふれていました。

 今度の医療制度では、そのような事はできないでしょう。
保険診療では、最低限の治療すらできないことになりますね。
 リウマチ膠原病の患者さんや老人患者さんなどは、多くの病気を併発しています。どれもが主病です。
重病、難病の患者さんの場合、定額医療費内では、十分な治療はできません。重病であればあるほど、難病であればあるほど、結果的に医療の切り捨てにされかねません。

 多くの医療機関が、専門的な治療も行い、同時に、かかりつけ医的・家庭医的な治療もあわせて行っているのが現実です。

 ≪かかりつけ医≫としてを登録すれば、定額となり、専門医としての十分な治療ができなくなります。逆に、≪専門医≫として治療すれば、現在来られている多くの老人患者さんたちの来院機会は奪われ、結果として専門的治療もできなくななります。
 
いったい私はどうしたらいいんでしょうか?



************************** 総合診療科 ****************************


 政府の導入目的は、ただ医療費を削減することだけなのでしょう?
 ≪人頭払い・かかりつけ医制≫≪フリーアクセスの制限≫、政府の意図は見え見えです。決して国民医療の向上などという高尚な目標を目指しているとは思えません。

 政府・厚生省は、最近、
多診療科にわたって幅広く診療ができる総合医≫をかかりつけ医の理想と称して、≪総合診療科≫を提唱しています。
 従来、そのような卒後教育は一切なされておりません。形だけの研修会を数回行う(すでに行った?とも言っております???)ことで、
都合よく≪総合医≫をでっち上げようとしています。情けないことに、その陰謀に荷担しようとする医師会幹部もいます。


****** 現実の医療行政は ***********

 
私は、開業以来20年間ずっと、そのような方針でやってきました。(専門医志向が強かった当時にすれば、少数派です。) もともと全身疾患であるリウマチ・膠原病科を専門にする関係上、恩師Dr.Wagnerの影響もあるかも知れませんが、全身のさまざまな病気(合併症)を総合的に診ることがどうしても必要でした。
 政府のいう理想的な総合的医療を実践してきた事になるのですが、その結果はどうだったでしょうか?? 
 
常に高額医療機関としてレッテルを貼られ、個別指導の対象にされていました。
 患者さんが、病気ごとに
多数の医療機関を受診することを考えれば、はるかに良心的で、より安価で、効率的な医療を提供していたはずでなのすがね!....??
 しかも、
主病名は原則一つ、使用可能なクスリは6剤以下などと制限されており、薬剤の選択にもずいぶん苦労させられました。


 医療現場の現実と政府・厚労省の言うこととはあい矛盾
しています。
 総合的にフォローするためには、当然
それなりに診療費を増すべきですが、逆に診療費を切り下げるばかりです。

 リウマチ膠原病患者や老人患者は多くの病気を併発しており、どれも主病です。多種類のクスリを使わざるを得ないのです。しかも、これらの病気に使われるクスリは、抗ガン剤などと同様に、バカ高く設定されています。結果的に(製薬メーカーを儲けさせるだけですが)、治療費は当然高くなります。


******
 総合医制度の導入目的 **********

 ≪総合医制度≫もまた
政府の単なる国民向け、マスコミうけをねらったポーズであり、形を変えた医療費削減策(実際は,医療斬りすて策)の一つに過ぎないのです。
 厚生省が動けば動くほど、ますます医療を破壊させる結果をまねくだけでしょう?


 
(自民党・公明党連合政府は、国民をだまし、医師をだまして、医療福祉関係予算の削減を続け、≪医療福祉の破壊政策≫を続けてきました。もはや医療供給体制は限界です。産婦人科、小児科、救急医療などはすでに破綻
しています。それでもなお、道路・箱物造り(公共事業)が国民のセーフティ・ネットよりも重要なのです。


        2007.4.18




 ≪姨捨山医療制度≫2008年4月1日導入される
      ≪姥捨て山医療≫の本質:食べ物屋を例にして説明します
      ≪姥捨て医療≫への批判の嵐、低所得者ほど保険料負担は増大
      (マンガ)後期高齢者医療制度の撤廃を!保険医協会パンフレットを転載  
      外来主治医と後期高齢者医療制度
(2008年1月6日毎日新聞)


  
     
2007,4,25 ドウダンツツジの新緑


       斎藤リウマチ科・内科・整形外科へ








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