患者さん向けのやさしい医療情報

開業医へ救急医療を押しつけ

 今、厚労省の新たな動きとして、開業医へ救急医療を押しつけようとしています。
 医療訴訟が頻発しております。患者の要求はエスカレートするばかりです。聴診器一つで患者が満足する救急医療は提供できません。
 もし重病で緊急検査や緊急入院が必要と判断しても、後方支援病院も荒廃している現状では、
転送も困難です。そんな状況でも、結果が悪ければ、訴訟されるかもしれません。

 
●時間外、日曜休日には、人手もなく、検査センターも休みです。薬局も休みです。必要な検査もできません。十分な診療はできません。
 ●
24時間コンビニ感覚の、患者の自分勝手な手軽受診を助長するばかりでしょう。
 ●医療費無料化は、かって気ままなご都合受診、マナーの悪いDQN
受診を助長するばかりです。
 
医師一人では、セクハラと訴えられるおそれもあります。
 ●医師一人では
受診料の計算もできません。
 
酔っぱらいや身元不明者も飛び込むでしょう、どうしようもありません。
 
●保険証もなく、カネもなく、診療費を踏み倒すような輩も多くいます。
 
外国人も多く、凶悪犯罪も増えています。いつ強盗に変わるかもしれません。
 
院外処方実施医療機関では、院内にクスリの在庫はありません。処方箋薬局をさがして、ムダに深夜さまようことになるのでしょう。これも新たなトラブルのタネです。

 
この原稿を書いている最中に、昔からの患者さんがケガで深夜飛び込んで来ました。応急処置は施したのですが、処方箋を出したはいいが、明日までクスリは手に入らないでしょう。

 開業医は診察時間外は、暇で遊んでいるわけではありません。
事務的な整理をしたり、ボランティアにちかい公的雑務をしたり、学会に出たり、自分の勉強をしたり、と多忙です。息抜きも必要です。診療時間外でも自由になる時間は限られています。これ以上に強制労働までもしいられたらたまりません。我々は自由業であって、公務員ではありません。
              

 アメリカの公的(セーフティイネット)医療機関のように、公費をつぎ込んでいる公的医療機関こそが24時間救急医療を引き受けるのが本筋でしょう? そこには救急性がない患者やご都合受診の患者を排除するトリアージ部門も必要でしょう。 民間医療機関と患者を取り合うのではなく、民間医療機関ではできない部門を補うことこそ国公立病院本来の使命ではありませんか?


     ****************** 救急医療のリスク *****************************

 
医療費削減を極限まですすめ、厚労省が強制してきた医療政策のさまざまの矛盾がこんな形でも露呈してきたのです。

 
救急医療に手を出せば、経営的赤字増加や訴訟リスク増しはまぬがれません。それらが解決されないかぎり、どの医療機関も救急医療の引き受けは困難でしょう。
 また、日曜・休日や夜間時間帯を定期の診療時間にすると、割り増し報酬が付きません。現状では、
≪夜間診療所≫≪日曜休日診療所≫を経営したくても実際上不可能です。

 
時間外診療では、人手も薬もなく、経営的赤字をまねき、危険ばかりが大きくなります。
厚労省は、時間外報酬アップの財源として、すでに極限にまで切り下げられている定時診療報酬をさらに削減しようとしています。その姑息な政策に怒りさえ覚えます。厚生省の真の目的は、診療報酬の削減を意図していることが透けて見えています。
封建時代、為政者は農民から税をしぼるために、
殺さぬように生かさぬように、としていました。まさに最近の医療行政は悪代官の苛政そのものになってきました。
救急医療の名のもとに、開業医へ多大な犠牲をさらに強要しようとしているのです。本末転倒もいいとこです。

     ******************* 解決策のひとつ ******************************

 日曜・休日や夜間時間帯の定期診療をしようとしても、人件費などの診療経費がはるかに多くかかります。人材確保も困難です。
せめて、
休日や準夜・深夜時間帯に診療をしている処には、無条件に、3〜5倍ぐらいの診察料・処置料、危険割り増し料をつけるべきです。
経営的に有利で、危険にみあった条件なら、深夜時間帯や日曜・祭日に診療する医療機関が自然と増えるでしょう。
≪日曜・夜間専門診療所≫も出来るかも知れません。
国民のためにも、理にかなった良い方法です。

 小児医療も、救急に限っては、有料化するべきです。
 救急車使用も有料化するべきです。

                              2007.6.12 記



     
     
2007,4,25 海老根むかし患者さんからいただいたモノです



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